メンタルヘルス・コラム

「季節性うつ病」には光療法が効果的

2016.05.24

「季節性感情障害」という病気があります。所謂「季節性のうつ病」のことです。
これは1984年にアメリカの精神科医ノーゼン・E.ローゼンタール(1950~)によって提唱されたうつ病の一種です。
当時、うつ病には引っ越しによる疲弊からなるうつ「引っ越しうつ病」、ストレスを伴う大きなイベントや出来事が終わった後にくる「荷下ろしうつ病」、表情は普段と変わりなかったり、笑顔を浮かべたりするが身体に症状がでるうつ「仮面うつ病」、不安や葛藤が強く、自殺念慮や企図が激しいうつ「激越性うつ病」など様々なものがあります。それはうつ病に影響した出来事や病態によって呼び方が違うのです。
しかし、1951年アメリカ精神医学会の診断基準(DCM)が出てからは、先に記した呼び方は少なくなりました。
症状やその継続性、体質や気質、そして背景となった環境などを中心に新たな診断分類が用いられるようになったからです。

 

 

ところで、季節性うつ病とはどんな病気なのでしょうか。簡単に言えば、気圧や気温、日照時間、雨や風など気象に過敏なうつ病のことです。気象に過敏になるのは何もうつ病だけではありません。花粉症に始まり、気管支喘息、関節リウマチ、適応障害、胃腸障害、紫外線障害などは有名です。

 

一般に季節性のうつ病は、湿度の高い雨天や気温が低下し、寒くなったり急に暑くなったりするような日内変動の環境下で調子を崩します。
秋冬の時期にうつ状態になり、春夏には寛解(完治までいかないが症状が治まった状態)したり、逆に躁状態になる人も少なくありません。北国ほど発症率が高いと言われています。

 

私の知っている例では、6月と12月には必ずうつ状態になる社長さんがいました。この社長さんの場合は季節というよりも、社員に対してボーナスを支払う時期と関係していました。

 

季節性うつの治療は今までは薬物療法をメインにはしますが、2500~3000ルクス(ルクス:明るさの単位。1時間当たりの日光量は約1000ルクス)の光照射療法も奏功します。
このように考えると自然にはかなわない病気がたくさんありますが、人間は知恵を用いてそれを克服することもできるのです。

 

 

東京メンタルヘルス  所長  武藤清栄

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